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二次試験対策:消費税減税を題材に事例II型問題を解く

この記事で練習する切り口

今回は消費税減税という外部環境変化を受ける外食企業を題材に、事例II型の「環境変化への対応策」を練習します。設問では、税率変動という外部要因を機会として捉え、既存顧客の深耕、新規顧客の獲得、顧客満足向上を図る施策を問います。答案では「誰に、何を、どう訴求し、どんな効果を狙うか」という因果を明確にし、制約条件(資金繰り、人員、店舗立地)を踏まえた実行可能性を重視します。

題材ニュースの要約

食料品の消費税減税をめぐり、超党派の実務者会議で中間とりまとめ案が示されました。来年4月から2年間、税率を1%に引き下げる方針が検討されており、影響を受ける外食産業などへの資金繰り支援も盛り込まれる見通しです。消費者の負担軽減と事業者の対応コストの両面から、税率変更の影響が注目されています。

元記事:NHKONEニュース|政治

今回の事例タイプ

事例II(マーケティング・流通)を選びました。外食という消費者向けサービス業であり、税率変更という外部環境変化を機会として捉え、顧客獲得・深耕施策を問う構成に適しています。与件では地域密着型の強み、客数減少・価格転嫁の弱み、競合の脅威を設定し、税率引き下げという機会をどう活かすかを問います。事例IIの典型論点である「ターゲット設定」「差別化要素の訴求」「顧客関係性強化」「プロモーション」を横断的に問う設問構成としています。

与件文

A社は、地方都市の商店街に立地する創業25年の洋食レストランである。2代目社長(50代)が5年前に先代から事業を承継し、従業員は社長を含め正社員3名、パート・アルバイト8名の計11名体制である。店舗面積は約80㎡、客席数は40席で、ランチとディナーの2部制で営業している。

A社の強みは、地元野菜を使った季節メニューと手作りの洋食である。先代の時代から地域の農家と直接取引しており、新鮮な野菜を安定的に仕入れている。シェフである社長は調理専門学校出身で技術力が高く、顧客からは「家庭的で温かい味」と評価されている。常連客が多く、リピート率は約70%に達する。地域の祭りや商店街イベントにも積極的に参加し、地域コミュニティとの関係性が深い。

一方で、近年は客数の減少が課題となっている。商店街全体の来街者が減少しており、A社の月間客数は5年前と比べて約15%減少した。特に平日ランチの客数減が顕著である。また、原材料費や光熱費の上昇により原価率が上昇しているが、常連客への配慮から価格転嫁を控えてきたため、営業利益率は5%程度に留まっている。人手不足も深刻で、パート・アルバイトの確保が難しく、社長と正社員の労働時間が長期化している。

外部環境としては、幹線道路沿いに全国チェーンのファミリーレストランが相次いで出店し、価格競争が激化している。一方で、最近は地産地消や健康志向を重視する消費者が増えており、SNSでの情報発信に積極的な飲食店が若年層の支持を集めている。A社はホームページを持つものの、SNSは未活用である。

こうした中、来年4月から2年間、食料品の消費税率が1%に引き下げられることが検討されている。外食は軽減税率の対象外であったが、今回の減税により外食産業も税率引き下げの恩恵を受ける見込みである。社長は、この税率変更を機に、価格面での訴求と新規顧客の獲得を図りたいと考えているが、同時に常連客との関係性維持と、減税後の反動への備えも必要だと認識している。

設問

第1問(配点20点)
A社が消費税減税という外部環境の変化を機会として捉え、新規顧客を獲得するために、どのような顧客層をターゲットとし、どのように訴求すべきか。100字以内で助言せよ。

第2問(配点30点)
A社が消費税減税を既存の常連客に対する関係性強化の機会とするために、どのような施策を実施すべきか。強みを活かし、顧客満足向上と来店頻度向上につながる施策を120字以内で助言せよ。

第3問(配点30点)
A社が消費税減税のメリットを顧客に効果的に伝え、来店動機を高めるために、どのようなプロモーション施策を実施すべきか。制約条件を踏まえて120字以内で助言せよ。

第4問(配点20点)
消費税減税期間終了後の反動を見据え、A社が持続的に収益を確保するために留意すべき点を100字以内で述べよ。

解説と答案例

第1問

設問意図:外部環境の変化を機会として捉え、STPのうち特にターゲット設定と訴求方法を問うています。与件の弱み(客数減少、特に平日ランチ)と強み(地元野菜、健康志向の追い風)を組み合わせ、実行可能なターゲット選定を求めています。

与件根拠:「平日ランチの客数減が顕著」「地産地消や健康志向を重視する消費者が増えており」「地元野菜を使った季節メニューと手作りの洋食」「SNSでの情報発信に積極的な飲食店が若年層の支持」という記述から、ターゲットと訴求軸を導きます。

解答骨子:ターゲット→健康志向の若年層・ファミリー層。訴求方法→減税による価格メリット+地元野菜の健康価値+SNS活用。効果→平日ランチ客数の回復。

答案例:健康志向の若年層やファミリー層をターゲットとし、減税による価格メリットと地元野菜を使った健康的なメニューをSNSで発信する。平日ランチの特別メニューを訴求し、新規顧客の来店を促し客数回復を図る。

採点ポイント:①ターゲットの明確化(若年層、ファミリー層など具体的セグメント)、②強み(地元野菜、健康)の活用、③訴求手段(SNS)の具体性、④効果(平日ランチ客数回復)の記述。「減税」だけでなく強みと組み合わせた訴求が加点対象です。

NG答案:「価格を下げて多くの顧客を集める」では、ターゲットが不明確で強みを活かしていません。「若年層に広く宣伝する」では訴求内容と手段が曖昧です。「SNSを始める」だけでは何を発信するか不明で、因果が弱くなります。

第2問

設問意図:既存顧客(常連客)との関係性深耕を問う、事例II頻出の論点です。強みを活かし、顧客満足と来店頻度の両方を向上させる施策が求められます。価格だけでなく、関係性や体験価値の向上を盛り込むことが重要です。

与件根拠:「常連客が多く、リピート率は約70%」「常連客への配慮から価格転嫁を控えてきた」「地域の農家と直接取引」「地域コミュニティとの関係性が深い」から、常連客との信頼関係を強化する施策を導きます。

解答骨子:施策→減税分を常連客に還元する会員制度や感謝イベント。強み→地元野菜の生産者紹介、限定メニュー提供。効果→顧客満足向上と来店頻度向上。

答案例:常連客向けに減税メリットを還元する会員ポイント制度を導入し、来店頻度に応じた特典を提供する。地元野菜の生産者を招いた感謝イベントや限定メニューを企画し、地域とのつながりを体験価値として訴求することで、顧客満足と来店頻度を高める。

採点ポイント:①常連客を対象とした施策の明示、②強み(地元野菜、地域)の活用、③具体的施策(会員制度、イベント、限定メニュー)、④効果(顧客満足・来店頻度向上)の因果。関係性強化という視点が評価されます。

NG答案:「値下げして常連客に還元する」では減税後の反動リスクがあり、関係性強化になりません。「新メニューを開発する」だけでは常連客向けの施策か不明です。「ポイントカードを作る」では具体的な還元内容や体験価値が見えません。

第3問

設問意図:プロモーション施策の具体性と実行可能性を問う設問です。制約条件(人手不足、SNS未活用、資金余力の限界)を踏まえ、低コストで効果的な手段を選ぶ判断力が求められます。

与件根拠:「SNSは未活用」「地域の祭りや商店街イベントにも積極的に参加」「人手不足も深刻で、社長と正社員の労働時間が長期化」から、低コストで実行可能な手段を選びます。

解答骨子:手段→SNS開設と商店街連携。内容→減税メリットと地元野菜の魅力を発信。実行可能性→外部協力や既存ネットワーク活用。効果→来店動機向上。

答案例:SNSアカウントを開設し、減税による価格メリットと地元野菜を使ったメニューを写真付きで発信する。商店街と連携し、共同チラシやイベント告知で相乗効果を図る。地域メディアへのプレスリリースも活用し、低コストで広く認知を高め来店動機を向上させる。

採点ポイント:①複数のプロモーション手段の提示、②減税メリットと強みの組み合わせ、③制約条件(低コスト、人手不足)への配慮、④効果(来店動機向上)の明示。「SNS」「商店街連携」「地域メディア」など具体的手段が加点対象です。

NG答案:「大規模な広告キャンペーンを実施する」では資金・人員の制約を無視しています。「SNSで宣伝する」だけでは内容が不明確です。「チラシを配る」だけでは手段が単一で、減税という機会を十分に活かせていません。

第4問

設問意図:短期的な施策の反動リスクを見据えた持続性の視点を問う、事例II後半の典型論点です。減税期間終了後の価格戻しや客離れへの対応、本質的な競争力強化を求めています。

与件根拠:「減税後の反動への備えも必要」「原価率が上昇しているが、価格転嫁を控えてきた」「営業利益率は5%程度」から、一時的な価格メリットに依存しない収益確保策を導きます。

解答骨子:留意点→価格以外の価値訴求、顧客関係性の蓄積、原価管理、収益体質の改善。

答案例:減税期間中に価格以外の価値として地元野菜の魅力や手作りの技術を訴求し、顧客との関係性を深める。原価管理を徹底し収益体質を改善する。減税終了後も価値に見合った価格設定を維持し、持続的な収益確保を図る。

採点ポイント:①価格依存からの脱却、②強み(地元野菜、技術)による差別化の継続、③収益体質改善(原価管理、適正価格)、④顧客関係性の蓄積。「持続性」「本質的価値」の視点が評価されます。

NG答案:「減税終了後も値下げを続ける」では収益悪化のリスクがあります。「新規顧客を増やし続ける」では具体性がなく、反動への備えになりません。「減税終了前に告知する」だけでは持続的収益確保の視点が弱いです。

今日の二次試験メモ

  • 外部環境変化は機会と脅威の両面で捉える:税率変更のような環境変化は短期的機会だが、終了後の反動リスク(脅威)も同時に問われる。
  • ターゲット設定は与件の弱みから逆算:「平日ランチ客数減」という弱みから、誰を狙えば解決するかを考える。強みとセットで訴求軸を組み立てる。
  • 既存顧客施策は関係性と体験価値:価格還元だけでなく、イベント、限定メニュー、生産者紹介など「つながり」を強化する施策が高評価。
  • プロモーションは制約条件とセット:人手不足・資金制約がある場合、SNS、商店街連携、地域メディアなど低コスト手段を複数組み合わせる。
  • 持続性を問う設問は本質的価値への回帰:一時的施策の後は、強みによる差別化、適正価格、収益体質改善など「価格に依存しない競争力」を示す。

※ 本記事はニュースを題材にした学習用の架空事例です。実在企業の診断・助言ではありません。